やあ、よく来てくれたね。
この絶望に満ちた、何の救いもない「日常」という灰色のキャンバスに、一つ一つ色を重ね少しずつ彩りを灯していく。ここはそんなブログです。
すみません、いま思いつきでテキトーに書きました。wiz7です。
さて、早いもので2016年も目前ですね!時間の流れはこれからも容赦なく加速していきます。
「もう年末!?今年やりたかったことの半分しかできてない!」
「いつも気づいたら休日・連休が終わってるんだよね……」
「やっと3時間連続でデスクワークの時間が確保できたものの、不完全燃焼のまま、いつの間にか残り15分!?」
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
誤解を恐れずに言えば、「人は時間を馬鹿にする生きもの」だからです。
一般的に、我々には家計簿をつける習慣はあるものの、時間簿をつける習慣はありませんよね。
コレって、よく考えたらおかしな話だと思いませんか?僕らはお金に対しては非常に強い執着を示し、収支を記録して惜しみなく分析・改善を繰り返すにも関わらず、時間に対しては無頓着なのですから。
人生は時間から構成されています。決してお金からではありません。
「時は金なり」という言葉がありますが、それは誤りです。厳密には「時は人生なり」が正なのです。
つまり僕らが重視すべき対象は、お金ではなく時間なのです。
ということで今回は、僕らの人生にとってお金以上に大切な「時間の扱い方、増やし方」について、Google社の分析と併せて考えてみたいと思います。
時間管理の原理原則を、プロジェクト管理の常識「パーキンソンの法則」から理解しよう!
古くから伝わる「パーキンソンの第1法則」をみてみましょう。
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
――シリル・ノースコート・パーキンソン
むむ……何だか耳の痛い話ですね。「法則」と聞くと何だかソレっぽく聞こえますが鵜呑みにせず、まずは身近な例で考えてみましょう。
例えば上司から、「このプログラムを今日中に仕上げて」と依頼された場合と「4日後までに仕上げて」と依頼された場合を想定して、自分の中の反応を比較してみましょう。
一般的に、前者の場合は尻に火が付き集中力は増大し、後者はマイペースでゆっくり消化してしまう、というのがよくあるパターンではないでしょうか?
図1:パーキンソンの法則から考える集中力
抱えている他タスクの量・優先順位の兼ね合いがあるため、現実はここまで単純ではないにせよ、締め切り・デッドラインに合わせ無意識のうちに馬力を調整するという性質が人間にはあるわけです。
人は誰もが「自分はいつも忙しい!」「常に時間が足りない!」と考えています。暇な学生ですら同様なのです。その理由は全て、このパーキンソンの法則で説明がつくのではないでしょうか?
僕らが考えている以上に、人って強くはないんですよね。
元々はこの考え方、英国の歴史・政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソン氏が1954年に官僚機構に対して指摘したものですが、この「あるある感」が共感を呼び、大ウケした結果現在まで語り継がれているのです。
※余談ですが、プロジェクトマネジメントの名書『ピープルウエア』『ゆとりの法則』『デッドライン』などで有名なプロジェクト管理の権威であるトム・デマルコ氏は、この考え方を真正面から否定しています。
しかし、その主張について個人的には懐疑的であり、妥当性を検証するためにはいくつかの前提条件を整理して考える必要があると僕は考えているため、近々、別途記事にしたいと思います!
というわけで古今東西、人間にとって締め切りの重要性は変わらないよね、というお話でした。
次に、この考え方を念頭に置き、Google社の社員を分析した結果について考えてみましょう。
Googleの社員たちを分析して判明した、トップ集団と二番手集団の「わずかな差」とは?
どうせ世界を牽引する「天才集団」の話だろって!?
いやいや、これから述べることこそが僕たち凡人に最も必要な考え方なのです。
Google社は今まで世界TOPクラスのIQモンスターばかり採用してきました。以下の記事では「グレート」な社員と呼んでいます。
しかし最近はそれに加え、優秀だけれども「グッドな人材」も入社するようになってきたため、Google社の人事はグッドな社員をグレートに押し上げるための方法論を研究しているわけです。そこで導き出された結論のうちの一つがコレ。
グッドな社員とグレートな社員の一番の違いが何かというと「何かを終える時間を決めていない」という人がグッドなことが多いんです。
グレートな人って「何時に始めて、何時に終える」というのをしっかり決めてるんですよ。仕事にしろ、仕事以外でも。
Googleが社員の健康づくりに取り組む理由 - ログミー
ここで注目していただきたいのは、Google社の「グッド」クラス、つまり一般企業で言うところのスーパーエリートですよね?そんな怪物ですら実行できていない、という意外な事実なんですよ。
まあ、能力がある怪物だからこそ逆に必要性を感じないため、できていないのかもしれませんが……そこには歴然とした「グレート社員との差」が存在していたわけです。
前節のパーキンソンの法則と同様、何かに取りかかる際「終わりを先に決定する」、たったこれだけのことです。
これを実行するのには、意志の力、根性の力、習慣化の力、ましてや才能・能力などは、一切必要ないわけです。僕ら凡人でも、少しだけ意識すれば、誰だって今からでも気楽に始められるわけです。
賢明な購読者の方々は既にお察しかとは思いますが、僕も過去記事にて、幾度となく「終わりを先に決めよ」と言い続けてきました。非常に重要な考え方なので復習を兼ねて紹介しておきます。
終わりを先に決めること。これが時間を有効活用するために重要な1つめの対策となります。
次に、もう一歩踏み込んで時間管理の「単位」について考えてみたいと思います。
なぜ大型連休があっという間に過ぎ去るのか?
ゴール・終わりを決めたとはいえ、当記事の冒頭で述べたように思うように時間を上手くコントロールできないことも多々あるかと思います。
そこで必要なのが徹底した「分割・分解」という考え方です。
人は大きなものを認識する際に、認知力が落ちる傾向にあります。
逆に、細かい単位にブレイクダウンされた途端に、具体的なイメージがわき易くなります。
図2:細分化されているほど、内容もゴールも明確化される
例えば「12億かけてシステムを作ろう!」と聞くと漠然とし過ぎているため「はぁ?」となりますが、アプリが2億で内訳はこれこれ、サーバの主機能が3億で内訳はこう……などと分解したとたんに、具体的なイメージがわいてきますよね?
また、「一年間のプロジェクト」と聞くと抽象的で「フワっ」とした感じになりますが、「4月~5月が要件定義」「6月~9月が基本設計」……などのように分割・分解されることで、具体的な一つ一つの行動に落とし込みやすくなるわけですよね。
みなさんもこの年末年始に一年の計画を立てる際、年→月→週→日……のようにブレイクダウン・分解して考える方も多いかもしれません。
これらと同様に、大型連休も大きなまとまりとして考えるのではなく、自分の都合のよい形で分解した方が、対象ブロックを的確に把握することができるため、効率的に時間を使えるようになるのです。
日頃の作業も全く同じで、漠然と「3時間確保できた!プログラム書くぞ!」ではなく、「最初の30分でここまで設計」し、「その後の1時間で一気に実装して」……などといった具合で、都合の良い形にぶった切り、細分化してやることで人の認知は急激に上昇し、集中力は一気に高まるのです。
徹底して分割・分解すること。
これが時間を有効活用するために重要な2つめの対策になります。
分割・分解の単位は臨機応変に!
分割して、終わりを決める。そしてダッシュする(もしくは思いっ切りダラダラする)。
この繰り返しでリズムが生まれてきます。
また、集中してダッシュするためには、日頃の脳のコンディションも非常に重要になるので、そちらのメンテナンスも忘れずに!
とはいえ、毎日生活していれば調子が出ない日もあるでしょう。忘年会・新年会で深夜まで飲んでいれば翌日は生きた屍と化し、頭も全く回りません。
不調の場合は脳に与える負荷を最小限にすべく、一度に集中する時間を短くすることをオススメします。たった15分の塊でもよいのです。ダッシュして休んで……を繰り返すことで、徐々に不調なエンジンも徐々に息を吹き返すことも少なくありません。
また、逆に調子が良く集中力が研ぎ澄まされているような場合であれば、あえて長く確保した方が効率が良いことも多々あるでしょう。
日々コンディションをチェックして柔軟に調整したいところですね!
期限は1分間!究極の締め切り効果「ゼロ秒思考」
過去記事にて紹介しましたが、作業時間を「1分間」という極限まで短くしたのが「ゼロ秒思考」のメモ書きです。方法は紙とペンを用意し、ひたすら思い浮かんだ言葉を文章として書きなぐるだけ。
『ゼロ秒思考』メモ書きでモヤモヤを吐き出し、スッキリ爆速。 - プロジェクトマネジメントの話とか
詳細は過去記事を見ていただきたいのですが、この手法の凄い点は、自分が想像した以上に「次々とアイディアがわき出てくる」部分にあります。仮にこれを1分でなくダラダラと長時間続けていたら、ここまでの効果は得られないものだと僕は考えています。
どーせやるなら思う存分「のんびりとダラダラ」しよう!
今回の記事は、上手く時間管理をして「誰かに勝とう!」などという堅苦しいお話ではありません。必ずしも仕事で結果を出して出世することだけが全てではないのです。
仕事が早く片づけば、その分だけ早く家に帰り家族と過ごす時間を確保することができます。恋人や友人と過ごせる時間も生まれるわけですよね。
もちろん、浮いた時間を別の仕事や資格の勉強に費やすのも面白く素晴らしいことです。仕事の幅が広がった分だけ、あなたの毎日が面白くエクサイティングになることは間違いないでしょう。
また、寝正月を否定するつもりも毛頭ありません。僕も連休になるとめちゃくちゃ寝ますし。ただ、「何となく寝てたら連休終わってた!\(^o^)/」ってのは、さすがに悲しいですよね。
自分の人生くらい自分でコントロールしたいものです。
冒頭でも半分フザケて述べましたが、今回の記事が、少しでもあなたの日常を彩る作業の一助になれば幸いです。
少しでも楽に。少しでも面白く――。
全力で時間をぶった切って、良い年末・年始ライフを!