プロジェクトマネジメントの話とか

「プロジェクト管理」をはじめ、心理学・ライフハック・仕事の話などを書いています。


仕事の属人化・ブラックボックス化で自分の価値を高める人たち。

f:id:wiz7:20150729122215j:plain
 
 こんにちは、wiz7です。先日、仲の良い同僚に「俺って完璧主義なトコロがあるんですよ」と話したら爆笑されました。そこ笑うとこじゃねえし。


 仕事をしていれば、綺麗ごとだけでは済まされない状況に遭遇することが多々あります。ピュアで心優しいあなたが望むか否かに関わらず、ビジネスパーソンには「策士」であることが求められるわけです。

 そんなビジネスマンが、どのような形で「強かさ・腹黒さ・計算高さ」を兼ね備えておくべきかについて考えてみましょう。

タスクを「ブラックボックス化・属人化」することの無意味さと、そのリスク

 以前、寄稿した記事の中で、意図的に情報共有を断ち自分の仕事を「属人化・ブラックボックス化」することで評価を高めようとする人たちが存在する話をしました。 非常に迷惑極まりないですヨねぇ……。
※属人化の防止策についても言及しているので、ご参考に!

next.rikunabi.com

 「この仕様は○○さんに聞かないと誰もわからないな」「やっぱり○○さんが一番詳しいね」といった状態を意図的に作り出し、自分の評価・価値を高めようとする人たちです。
~(中略)~
 もしあなたに少しでも心当たりがあるのであれば、即刻止めることをオススメします。

 本文中でも述べている通り、あらゆる小細工は周囲の人間に全て見透かされている、と考えて間違いありません。例えば、上手く立ち回ろうとしている同僚に対して「あ、アイツさぼってんな……」「うまくミスを揉み消したなー!」などと気付くことって、よくありませんか?

 得てしてこのような場合、周囲に気づかれていないと思っているのは「当の本人のみ」だったりするわけです。

 なぜ彼らは、ブラックボックス化を企てるのでしょうか?

 結論から言えば彼らは「自信がない」ため、策を企てるのです。

 自身のスキルに自信がないため、いかなる手段を使ってでも組織内の評価を獲得すべく、手を尽くすわけです。逆に、自分に自信がある人は評価は後から自然についてくることを知っているので、このような小細工を仕掛ける必要もないわけです。単純な理屈ですね。

 そして前述の通り、その不毛な戦略・画策は周囲から見透かされてしまうため、逆効果にすらなってしまうのです。正に愚の骨頂です。

 ではここでもう一つ、自信がないダメな人たちに見られる「典型的な症状」を考えてみましょう。

「あいつの書いたコードはクソだ!」などと批判する人間に、デキる人がいない理由

「アイツのプログラムはダメだ」「彼の作った設計書はいつも品質が悪い」

 このセリフ、IT業界に身を置いている人であれば一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?僕はミニにタコができるほど聞いてきました。

 本当に品質が悪いケースも多々あるので難しいところではありますが……ただ、実際に品質を確認してみると、それほど悪くなかった、ということが往々にしてあるわけです。

 これも先ほどと同様、「自分に自信がない」ことが原因で、相手を貶めることで相対的に「自分の方が上だ」と周囲にアピールすることにより、何とか自尊心を保とうしているわけですね。

 こちらもやはり、周囲のメンバーらには「この人はアピールに必死だなぁ……」としか映らないわけです。評価は上がるどころか、もくろみとは逆に下がる一方です。

 本当に自信とスキルがある人間は、他人をむやみやたらに貶めることは絶対にありません。
 
 自身も過去にスキルの無い時代を経験してきているため、「その痛みを知っている」こと、そして仕事の9割は「人間関係・コミュニケーション」から成り立っていることを熟知しているためです。

人のあるべき姿って?

 僕がこれら「情報のブラックボックス化」「不必要な批判」の例から言いたいことは、「したたかさや計算高さ」は社会人に必須ではあるものの、それを誤った方向に行使した瞬間、自分の首を絞め、自分を追い詰める危険性がある、ということです。
 
 小学校の「道徳の授業」ような話になってしまいますが……あるべき方向に力を行使することで初めて人間は本来の力を発揮できるのです。そもそも考えてもみてください。「後ろめたさ」を頭の片隅に感じながら、あなたは全力疾走できますか?頭のどこかでブレーキがかかってしまいますよね?そんな状態で楽しいワケがないのです。
 
 その悪しき状態が行動に大きく影響を及ぼし、悪い結果につながっていく。これが世間一般で言われている「因果応報」のメカニズムです。これはオカルトとは一切無関係です。

 某東○芝の「不正会計」が騒がれているようですが、そのトップらが日々、どのような気分で仕事をしていたのでしょうか?推して知るべしですね。

誰よりも「周囲のこと」を考えていた同僚

 ここで一つ、ズバ抜けて優秀だった元同僚のエピソードを紹介します。

 常にチームの中心にいた彼は、毎週、木曜・金曜あたりになると、週末の土日の間に「○○山へ遊びに行く!」と、雑談がてら周囲の同僚に言い振らし始めます。また、日頃から自分の持っている情報は極力周囲へ共有し、自分だけが握っている状態を回避していたのでした。

 「自分は一人で出かけることも多いから、何か起これば誰とも連絡が取れなくなる。事故や災害に巻き込まれても、事前に行き先を伝えておけば、それが手掛かりになる」とは元同僚の弁。

 出かけ先まで共有するのは、さすがに仕事のためだけではないのでしょうが、「自分だけが握る情報・タスクを限りなくゼロに近づける」ことをここまで徹底している人を、僕は見たことがありませんでした。今まで様々な人たちに出会ってきましたが、このような人は初めてだったので、酷く驚愕したことを昨日のことのように覚えています。

 そして実際、プロジェクトの超重要な「キーマン」であるにもかかわらず、チームを離脱する際も、引き継ぎらしい引き継ぎ作業があまり発生しなかったのでした。今思い返しても、なんとも不思議な話です。

なぜこの同僚は、そこまで周囲のことが考えられたのか?

 自分がキーマンでありながらも、自分が突然居なくなってもチームが回ること――。

 マネージャーでもない彼がメリットを度外視して、なぜそこまでできるのか。僕は本人に聞くことができませんでした。聞くのが怖かったのだと思います。「ええっ?チームで仕事してんだから、そんなの当たり前っしょ?」と、軽蔑されることを恐れていたのでしょう。
 
 チーム、顧客に与えることが、結果的にリターンにつながる、という原則を熟知していたのかもしれませんが、恐らく彼はリターン云々の次元で仕事をしていませんでした。彼が見ていたのは社内ではなく、ユーザと社会の発展だったのだと思います。「社会貢献」と言ってしまうと、とたんに陳腐な響きとなってしまいますが、結局はそこなんですよね。
「Win-Win」の大きな勘違い―Google社と7つの習慣【第4の習慣】から考える。 - プロジェクトマネジメントの話とか

 正直言うと、僕もそれなりにチームのことを考え、マメに情報共有を行いながら進めてきた「つもり」になっていたのですが、僕は彼の足元にも及びませんでした。仕事に対する姿勢自体に、歴然とした差があったわけです。

 もちろん、必ずしもそこまでする必要があるのか?と問われれば、正直わかりません。ただ、仕事に対する姿勢が僕とは別次元にあることを知ったとき、強い衝撃を受けると同時に、「全体を俯瞰していた気になっていた」自分を恥じたのでした。

健全な処世術としての、人に恥じない「したたかさ」

 仕事は遊びではありません。サークル活動でもありません。「真っ直ぐにのみ」進めるほど、生易しいものではないのです。

 特に、生き馬の目を抜く外資系金融(で働いたことはありませんが、何となくそんなイメージ……)などでは、戦略的な計算に基づいた行動が常に要求されることでしょう。ひたすらゴマをすりつづけ、上手く上司に取り入る政治力も必須でしょう。

 策士であることを否定するつもりは毛頭ありません。それがビジネスの実情です。

 ただーー。

 どうせ頭を使うのであれば、その場しのぎの小細工で取り繕うのではなく、長期的な戦略に基づいた、人に恥じることのない堂々とした「したたかさ」や「計算高さを」持ちたいと思うのです。

 「アイツはぬるい!」

 そう言われることもあるでしょう。3年後の僕がこの記事を読み返したら「うへぇ……青臭え(笑)」と穴があったら入りたくなるかもしれません。

 それでもやはり僕は、前述の元同僚のような、キッチリと世の中を俯瞰できる存在になりたい、そんなことを考えたのでした。
 しかるべき、強かさと計算高さと腹黒さと、恋しさとせつなさと心強さを兼ね備えて!
 
じゃ、今日も楽しんでいきまっしょい!

 

補足(後日追記)

「属人化の防止」を実現させるのはマネージャーの仕事だ、というご指摘がいくつかありましたが、それについては前述の寄稿記事の中にて深く言及しているため、是非そちらも参照ください!

 

photo by Creative Sustainability

「最強の面接対策」について、みんなの転職様へ寄稿しました!

飛躍して障害を乗り越える

 「最初で最後の転職活動」を実現すべく、僕がとった行動とは。

 「非エリート」が結果を出すために、とるべき戦略とは――。

 今回は、そんなお話です。

 このブログでは常々、「自分から動くことでのみ、状況は前向きに変化する」と言い続けていますが、その数ある選択肢のうちの一つが「転職」になるかと思います。

 僕は人の流動性が非常に高いIT業界で働いているのですが、転職経験は一度だけしかありません。今のところは二回目を考えていないので、良く言えば転職を「成功させた」とも言えるのかもしれませんが(モノは言いよう!?)、転職についてはズブの素人であることには変わりありませんよね。

 そんな素人ではあるものの、僕は「最初で最後の転職」を実現させるために、業務が多忙を極める中、三ヶ月弱に渡って試行錯誤を繰り返す過程で、様々な知見を得ていったのでした。

 一連の転職活動から「得たこと・考えたこと」は多岐に渡るため、それだけで本が一冊書けそうな勢いなのですが、今回はその中でも主に「動き出したいけれども面倒……どーしよ!?」「面接対策はどうしたらいいんだろう?」などといった問いに対して、素人の僕が出した「一つの答え」を、僭越ながら伝えてみようと思いました。

 正直、僕が行った面接対策は愚直とも言えるもので、決してスマートな方法ではありません。また、誰にでもそのまま真似できる、といった類のものでもないかもしれません。

 ただ、この記事が少しでも「転職を希望しながらも、動けずにいる未経験者」や、「面接の勝手がわからずにいる」人たちの後押しになり得たとしたら、非常に嬉しく思います。

▼寄稿記事はこちらへ!
僕が転職活動で60社に応募した、たった1つの理由。 | みんなの転職

面接で人間性やスキルは測れない!?

 応募者が仕事でパフォーマンスを発揮できるかどうかを、採用側が面接中に判断することは、実はほぼ不可能なのです。その根拠については、いずれどこかで記事にしようかと思いますが、そんないい加減なものに人生を左右されるというのも、おかしな話ですよね。
※後日公開
今の面接は無意味!会社が生まれ変わる面接方法と、応募者の対策。 - プロジェクトマネジメントの話とか

 とはいえ、それが要求されている現実がある以上、内定という結果を獲得するために、面接では過去の経験を余すところなくアウトプットできるようにしておきたいわけです。

 本文中にもありますが、僕は前職入社時に就職活動というものを全く経験していなかったので、面接の「め」の時も知らない状態でした。なので十分な「準備」が必要だったという背景もありました。

 しかし、面接を既に知っている方も十分過ぎるほどの「準備」行い、本命に備えることで、結果も大きく変わってくるものだと僕は考えています。

さいごに

 最後になりましたが、「みんなの転職」の荒木様、はてなブログという強力なプラットホームを与えてくださったはてな様、購読者の方々、また、いつも支えてくれる方々に、深くお礼申し上げます。ありがとうございました。


 んじゃ、今日も楽しくいきまっしょい!

 

photo by Kate Palaña

「先延ばし」しがちな人の、キャパシティが小さい理由と対策。

 こんにちは、wiz7です。先日、職場の飲み会で血液型の話になった際に、「俺はA型なんスよ」と言うと、みんなから一斉に「いやいや(笑)絶対に再検査したほうがいいよ!」と諭された次第です。黙れ。

 
 さて。今回はキャパシティ(=キャパ、タスクを受けられる容量)の話です。あなたの職場で、このような会話が交わされていたりしませんか?

 「Aさんはキャパシティが大きいよね。どんなに無茶振りしても鬼神の如く、仕事を処理していくし!」
 「Bさんは少しでもタスクが立て込むとすぐに『ダークゾーン』に入っちゃう……キャパシティ小さ!」

 個人差の大きい「受けられる仕事量」。なぜ人によってここまで差が出るのでしょうか?

 「彼らIQモンスター達はそもそも仕事が速いし、僕らとは元々の頭のつくりが違うんだよ……」 

 って、本当に才能の差だけなのでしょうか?僕らに改善の余地はないのでしょうか?

 今回は「キャパシティの増やし方」と、それと密接な関係がある「先延ばし癖の克服方法」について考えてみましょう。

※当ブログはエンターテイメントです!主張には根拠がありますが(専門家が見れば「ああ……あれね(笑)」となります)、個人差もあるかと思うので、まずは試してみましょう。上手くハマれば凄まじい破壊力を発揮するかと思います!

キャパシティが小さい人の特徴とは?

 真っ先に思い浮かぶのが「仕事の処理スピード」の問題かと思います。
仕事が丁寧で遅い人に共通する、たった1つの問題点とその対策。 - プロジェクトマネジメントの話とか
凡人のあなたが爆速で仕事をこなすための6つのポイント。 - プロジェクトマネジメントの話とか
 
 もちろん、それも大きな要因の一つです。タスクの消化スピードが速ければ、それだけ受けられる仕事にも余裕ができるため、結果的にキャパシティが大きいように見えるためです。

 今回は、そこからもう一歩踏み込み、「タスクを受ける際に発生する勘違い」にフォーカスしてみたいと思います。

 まず基本をおさらいしましょう。下記「図1」を参照ください。

自分の限界以上にタスクを受けた状態

図1:タスクが溢れ、キャパオーバーを起こした状態

 キャパオーバーを起こした(タスクを自分の限界以上まで受けることで、溢れてしまった)状態です。この状態にならないよう、みなさんは

 などの形で、頭がパンクしないようメンテしているのです。脳内クリアについては過去記事でも一度取り上げていました。
自己啓発本・ライフハック記事を読み漁っても、なぜ行動できないのか? - プロジェクトマネジメントの話とか

 ここで考えていただきたいのが、「キャパが小さいため、タスクが溢れてしまう」という事象についてです。一般的にみなさんがイメージする「小さいキャパ」というものは、下記「図2」のようなものになるかと思います。

世間一般の「キャパシティが小さい」という認識

図2:「キャパシティが小さい」という言葉から感じる一般的なイメージ

 受け入れる「器の大きさ自体が小さい」状態です。これはこれで一つの事実ではあると思いますが、ここで一つ考えてみていただきたいのです。あなたのキャパシティは、本当に小さいのでしょうか?ひょっとしたら「そう思い込んでいるだけ」なのかもかもしれないのです。

 実際は、たいしたタスクではないにもかかわらず、「アレもコレもやんなきゃ……もうパンク寸前」と、自分で自分にプレッシャーをかけ、勝手に溢れさせて自滅してしまうケースが多々あるのです。

 今回、僕が新たに提唱したいイメージは下記「図3」の形となります。

対象の実体を正しく把握できず、溢れてしまう状態

図3:受け取るタスクを無駄に「過大評価」することで、すぐに溢れてしまう

 タスクを正しく認識できずに自らプレッシャーを感じ、受けたタスク量の割に、早めに限界が訪れてギブアップしてしまい、相対的に「自分はキャパシティが小さい・狭い」と考えてしまうことが多いのです。

 実際、よくありませんか?いっぱいいっぱいの状態で、追加の「小さなタスク」が割り込んできた際に「ムッキー!!ヽ(`・ω・´)ノ」とパンク状態になってしまうことが。冷静になれば何てこともない問題であるにも関わらず。

 また、同じ仕事を処理するのでも、余裕があるときとないときを比べると、処理スピードに圧倒的な差がつくこともありますよね。

 人は思い込みの中で生きています。

 人は自分の頭で考えているつもりであっても、見聞きする全ての情報から影響を受け続けています。長年培ってきた独自の色眼鏡というフィルターを通じて、自分の思い込みの範囲でバイアス(=先入観)にまみれた思考を繰り返すわけです。

 特に、仕事で多忙を極めている状態が一番危険です。

 手持ちのタスクが膨大な量となり、カツカツの状態で心身も疲弊してしまう。このような状態では、肉体と共に「脳という一つの臓器」も徐々に元気を失ってしまいます。すると、「図3」のように思い込みがいっそう強くなり、正しく実体を把握することが難しくなるのです。

 また、それ以前の問題として、日頃から自らプレッシャーを与えがちな真面目な人は、特別メンタル・フィジカル共に疲労していなくとも、無意識のうちに「図3」の状態に陥ってしまう、という傾向があるのです。

 この「タスクの実体を正確に把握すること」、これが問題解決のカギとなります。

「先延ばし癖」の根本原因とは?

 ここで、もう一つの例を考えてみましょう。「先延ばし癖」についてです。 

 「小姑のようなウルサイ課長にインプットするための資料を作らなきゃ……面倒くさいなあ、気が重いなあ。明日からやろう。明日になっても、明日から」

 このように先延ばししてしまう原因については、様々な要因が考えられますが、一つの原因に「不安やプレッシャーからの逃避」というものが挙げられます。

 プレッシャーと一言にいっても、

  • 完璧主義のあまり、キッチリとやり遂げようとしてしまい、必要以上に負担を感じてしまうものであったり
  • 頭の中でそのタスクをイメージして、「未知なる負担」がどんどん肥大化することで、自分で自分を追い詰めてしまうパターンであったり

 と、様々な形があるかと思います。

 これも先ほどの話と同様、「面倒なタスク」だという思い込みが悪さをしているわけです。思い込みがプレッシャーを生み出し、そのプレッシャーから逃避するように、先延ばしをしてしまう。

 つまり、自分で自分の首を絞めているだけの話なのです。これって全く馬鹿げた話ですよね!?

 この問題についても、前述のキャパシティの話と同様に「タスクの実体を正確に把握・認識する」ことで、無駄なプレッシャーや不安から解放されることで、自由気ままに作業にとりかかることができるようになります。
 
 では、実際に「タスクの実体を正確に認識する」ための解決策について、考えてみましょう。

キャパシティの拡大と「先延ばし癖」を克服する、2つのステップからなる新しい方法

 今回の解決法は、以下の2つのステップからなります。

1.着手することで「タスクの実態」を把握する

 まず、面倒だとプレッシャーに感じている仕事に対して「5分間だけ着手」してみましょう。この手法は様々な場所で語られており、経験的にその効果を実感している人もいるかもしれませんが、僕が考える効果を、以下にまとめてみます。

 少しだけ着手してみることで……
  

  • 漠然とした「よくわからないけど大変そう……」という未知のタスクに対する「不安感」「恐怖心」「プレッシャー」から解放される!
  • 意外と「楽に片づけられそうだ!」という見通しが立つ!
  • 逆に「思っていたよりも時間がかかりそうかも!?」という感触が得られた場合、十分に時間を充てるためのスケジュール調整ができる!
  • 時間がかかりそうな場合でも既に具体的な作業イメージがつかめているため、次回からは取り掛かりやすい!
  • イヤイヤでも実際に作業に着手することで、脳内の側坐核という部分が刺激され、ヤル気が発生!5分間だけのつもりが、長時間作業に没頭してしまうことも!(=作業興奮と呼ばれるものです)

 このように書き出してみると、良いこと尽くめですね!

2.思考を記録し、認知・認識を修正する

 二番目の策として、「考えたこと、思ったことを記録する」ことがキモになります。

 長文で記録する必要はありません。慣れるまでは一言、二言でもOKです。記録をつけること自体が面倒になり、書かなくなってしまっては本末転倒です。いかに自分に負荷をかけないか?がポイントになります。

 自分がどう感じたのかを以下の3ステップで記録して、定期的に見返してみましょう。

  1. 「タスクを受けた時」に感じたこと
  2. 「5分間着手したとき」に感じたこと
  3. 「タスクが完了したとき」に感じたこと

 文章にする必要はありません。「面倒だ……」などといった、簡単な言葉でよいのです。

表1:考えを記録することで、客観的に思考を修正する

f:id:wiz7:20150716071259p:plain

 あまりに単純なタスクでこれを実行してもあまり意味はないため、着手することが「面倒くさい……」と感じたら、さっそく試してみましょう。

  1. で「面倒だ……」と感じ
  2. にて「思ったほどじゃないな!もっと早く着手しておけばよかったわ!」となり
  3. で「ホントにたいしたことなかった!先延ばしなんてバカバカし、まだまだタスクを受けられる!」と認知の歪みを修正

 という記録ができるわけです。このような記録の積み重ねを、後から見返すわけです。

 人間は恐ろしいほどに忘れやすい生き物です。

 「たいしたことなかった、俺はやればデキル子!」という成功体験の財産ですら、一瞬で忘却の彼方へ消え去ります。

 よって、記録を見返すことで「ああ、そうそう、このプレゼン準備の時も、イザ作成してみたら大したことなかったんだわ、俺イケてるわ!」という記憶と自信を呼び起こすわけです。

 これを繰り返し、「タスクの実体を把握する」経験を積むことで「目の前のタスクは、実は大したことがない!」と言い切れる自分を創り上げることができるのです。

 やがて不毛な思い込みは矯正され、より「現実に即した見積」が可能となり、結果的に先延ばしの克服やキャパシティの拡大につながっていくことでしょう。

なぜ記録(レコーディング)すると良いの?

 話をこれだけで終わらせないために、原理を理解しておきましょう。深い理解を伴った知識や考え方は、応用することで100倍、200倍の力を発揮します。知識は人生の様々なシーンに応用できて初めて「知識は力になった」といえましょう。

 先程も少し述べましたが、記録することの力についての補足です。

 何も友人に「ほれスゴイっしょ!?」などとSNSでシェアしたり、自己満足に浸ったりするためだけに記録するわけではないのです。

 例えばダイエット。「レコーディングダイエット」が有名ですよね。また、何か脅迫的なものにとらわれて同じ行動を繰り返してしまう人も、行動を「記録し続ける」ことで、あるタイミングで症状がストップすることも報告されているようです。

 自分の過去の「行動や思考」を客観視し、大きな気づきを得ることで、自分の思考が「現実に即した正しい、本来あるべき姿」に改善されるのです。

 過去の記事でも何度か取り上げていますが、自分の思考を客観視すること(=メタ認知)は、複雑化した現代社会を生き抜く上で非常に重要なスキルだといえます。

 記録に残すという、ちょっとした簡単な作業で、人生の質=QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させることができるのです。

 
 ちょっとした工夫一つで、次々と変わっていく風景――。

 フィルターを少し磨いて、面白い世界を覗いてみませんか?

「適材適所」についてリクナビNEXTジャーナル様へ寄稿しました!

強み・弱みから考える分岐点
photo by sacks08

 こんにちは、wiz7です。このたび、リクナビネクストジャーナル様へ寄稿いたしました。今回で2回目となります。本当にありがたいことです。

 はてなスタッフの皆様、リクナビネクストジャーナル様、購読者の方々、交流いただいているはてなブロガーの方々、また、日頃支えてくれる周囲の方々には深く感謝しております。本当にありがとうございました。

 つーか、そもそもお前誰やねん!?という方は、こちらのプロフィールへどうぞ。

寄稿した記事はこちらです▼営業向き? 技術向き? 「適材適所」の大きな勘違い。 | リクナビNEXTジャーナル 

強みと弱みと適材適所

 今回のテーマは「適材適所」と銘打っていますが、自分の「弱点」とどう向き合い、受け入れ、付き合っていくか?というお話でもあります。

 本文中にもありますが、僕は昔、仕事が苦痛で苦痛で仕方がありませんでした。もちろん今でもキツイ場面には、しばしば遭遇するのですが、厳しいながらも根底に「楽しさ」を感じつつ、日々仕事ができていると思っています。今回は、僕にそれができた理由についても触れています。

 もちろん、仕事は生易しいものではありません。

 僕のようなケースはひょっとしたらレアで、単なる「ラッキー」に過ぎなかったのかもしれません。でも、ひょっとしたら誰かには役に立つかもしれないわけで。なので、一つの「考え方」としてお読みいただければな、と思います。

 特に仕事が「キツイ!辛い!逃げ出したい!」と感じている人にこそ、読んでいただきたいと思います。もし、少しでも参考になる箇所があれば、非常に幸いです!

 

みんながみんな、スーパーマンじゃない!

 人の数だけ個性・適性があります。

 全員が全員、喋りが上手で声が大きくて、明るく社交的で仕事は爆速でこなしつつ、政治的手腕に長け徹夜に強い……などというようなモンスターではないし、そうである必要もありません。そもそも、社会・組織が求める型にハマる必要などないわけです。

 少しでも楽に、少しでも面白く。今を「前向き」に変えていく。

 僕のブログの記事は、それが全てです。

 今回の記事のテーマソングは、反○町隆史の「P○IS○N」的な何かと、Mr.Childrenの「終わりなき旅」かどうかは定かではありませんが、何となくそんな感じです。

 気張らずに肩肘張らずに、しなやかに自然体で全力で。今日も楽しんでいきましょい!

それじゃーまたね!

「寝るのが悔しい、もったいない」と考える原因と2つの対策。

 こんにちは、wiz7です。男女比8:2(※Google Analytics調べ)の体育会系の部室のようなブログへようこそ!時期的にも、そろそろ制汗スプレーが必須ですね。焼け石に水ですかね。トイレ用の消臭スプレーにしときますかね。

 さて、深夜の24時。もう寝る時間です。

 「寝るのが悔しい、もったいない……」
 「寝たら朝が来る。起きたら会社(学校)だ……」
 「もうチョットだけ遊びたい……」

 このようなモヤモヤを解消すべく、インターネット上を徘徊し、漫画やゲームに興じて夜更かししてしまう人たち。そして翌日、特に月曜や連休明けは終日「廃人」と化し、怠惰な自分を強く責めてしまうのです。

 睡眠の重要性にについては、あえてここでは触れませんが、たった数時間の投資を惜しんだばかりに1日のパフォーマンスを大きく落としてしまう、というような生活は、もう終わりにしましょう。(特に、比較的自由な学生の方々。)

 一日24時間のうちの「2〜3割」程度の時間が、人生のパフォーマンスの「8割」を決めてしまうのです。正にパレートの法則(2:8の法則)ですね。

 今回は、ついつい夜更かししてしまう原因と、その対処・解決策について考えてみたいと思います。

※私は精神医学の専門家ではないので、メカニズムなどについては参考程度にご覧ください。当ブログはエンターテイメントです!

眠りたくないと思ってしまう、2つの原因

 今回は脳は健康、かつ体も適度に疲れているにも関わらず「眠りたくない」と考えてしまうケースを想定しています。日中活動しても寝つきが非常に悪い、本当の不眠の方は専門医に診てもらいましょう。

 「もう少し遊びたい!」「もったいなくて眠れない!」と考えてしまう原因ですが、結論から言うと「日中の充実感の欠如」と「ストレス」が原因となります。

 日中、不完全線燃焼で充足感が不足しているため、そのまま眠るのが悔しくなるのです。そしてストレスを抱えているからこそ、もう少し遊んで「発散させてから」眠りたくなるのです。当然といえば当然ですよね。

 「ストレスの発散方法」についてはネット・書籍にていくらでも紹介されていると思うので、そちらを参照ください。十人十色のストレス発散法があると思います。今回は、もう一つの「日中の充実感」について考えてみましょう。
※と言いつつも、瞑想の記事はお約束なのでご参考までに。

眠りたくないアナタに、何が起きているのか?

 まず、現状を把握すべく、自分に何が起きているのか分析してみましょう。下記の「図1」を参照ください。

睡眠不足により、悪循環に陥る例

図1:睡眠不足が招く生活の悪循環

 夜更かしする
  →日中のパフォーマンス劣化
  →気力減退、充実感の不足
  →「眠りたくない」「眠るのが悔しい」
  →夜更かしする……

 全くイケてない負のループですね。ご覧の通り、このままで生活が改善されるワケがありません。

 そして理想なのは説明するまでもなく、以下の「図2」のような形ですね。

睡眠時間を確保することで、生活が充実する

図2:日中、アクティブに生活することで健全なサイクルに

 早く寝る
  →日中のパフォーマンスが飛躍的に向上
  →気力回復、充実感に満ちた一日
  →「今日も一日充実!」
   「明日に備えて眠りたい!」
   「めっちゃ疲れた!眠い!」
  →爆睡…zzZZ……フゴーッ!

 悪循環から抜け出し、この理想形を実現させるためにはどうしたらよいのでしょうか?今回も、小手先のテクニックに終始することなく、汎用的な「考え方」について探っていきましょう。

睡眠時間を守り、日中の活動の密度を高くする2つの方法

 今一度、日々のサイクルを見直すため、紙とペンを使って一日のタイムテーブルを書き出してみましょう。ここでは睡眠時間が7.5h必要な社会人を想定しています。

平日の社会人のタイムテーブル

図3:平日のタイムテーブルの例

 うーむ……。やはり睡眠と仕事でほぼ食い尽くされていますね。この例の考え方をざっと説明すると……

  • 22~26時は細胞の修復を促す成長ホルモンの分泌が最も盛んな時間帯だといわれています。22時ではさすがにハードルが高すぎるので、睡眠スタートは23時に設定
  • ご存知の通り、レム睡眠・ノンレム睡眠は90分周期なので、標準と噂される8時間に最も近い「7.5時間」を睡眠時間とする
    ※個人差があるので、自分に合った時間で設定することになります
  • よって、起床時刻は朝の6時半
  • 「入眠のための儀式・クールダウン」+「予備の時間(何だかんだで、後ろにずれ込むため。)」のために、1時間を確保
  • 以上より、就寝の準備を開始する時刻は「22時」を目標とする

 ここで大事なことを一つお伝えしておきます。

 これらの決めごとは、あくまでも「目標」に過ぎないということです。残業が発生すれば就寝時刻はいくらでも変動することになりますし、飲みにいけば一発で後ろに押し込まれるでしょう。

 これらを守れなかったからといって何ら落ち込む必要はありませんし、サボリながら目標に向かって気長に近づいていけばよいわけです。もし一日でもできたら、めっちゃ全力で自分で自分を褒める。そのくらいの気構えで十分です。てきとーで良いのです。

 それでは、具体的な解決策について一つずつ見ていきましょう。

1.睡眠を「優先度の非常に高い仕事」と全く同じレベルで考える

 前述の「図3」をみれば一目瞭然ですが、平日の会社員には自由時間がほぼありません。数時間、残業をすれば「22時のとりで」など一瞬で崩壊してしまうのです。指先ひとつでダウンです。言うは易し、行うは難し。ここが第一のポイントになります。

 では、22時の砦を死守するために、どうすればよいのでしょうか?

 簡単です。

 睡眠を「最も重要度の高い仕事」として考えるのです。

 よく、「休むことも仕事のうち」などと言いますが、仕事のようなものとして考えるのではありません。睡眠を、重要度の高い仕事と「全く同じレベル」で考えるのです。繰り返しになりますが、睡眠が生活の質の8割を決めているのです。睡眠は、仕事と同じかそれ以上に重要なイベントではないのでしょうか?

 かのホリエモンは毎日8時間、ガッツリ睡眠を確保することで有名ですが、スケジュールが立て込んだ場合は睡眠の時間を最優先とし、溢れた仕事はスケジュールを調整して翌日に回すそうです。堀江貴文氏ですら(いや、だからこそ?)それだけ睡眠に気を使っているわけです。

 一方、僕ら凡人は漠然と眠り、慢性的な睡眠不足を続けるわけです。僕らはビジネスエリートではないかもしれません。だからこそ、仕事もプライベートも「より充実させるために」工夫を重ねる必要があるのです。

 睡眠は、優先度最高クラスの「外せない仕事」だという認識が必要なのです。

2.定期的に「一日の締め切り」まであと何時間あるか考える

 一日に数回、「22時まであと何時間あるか?」を確認し、漠然と過ごしていないか?と一言、自問自答してみてください。気が付いた時で結構です。

 今までは、あれもやりたい、これもやりたい、と、なし崩し的に深夜に突入していたかもしれませんが、タイムリミットを意識することで、どのように時間を使おうか、何を翌日に先送りにしようか、について意識するようになります。

 また、漠然と過ごしていないか?を考えることで、切れた集中力を取り戻します。疲れていれば休む必要もあるわけです。

要所要所で、一日の終わりを意識する

図4:定期的に「一日の残り時間」を意識することで密度が高まる

 平日の場合、今日は残業をするのかしないのか。するとしたら何時間、今日中にどこまで終わらせるのか。あくまでも、22時から始まる睡眠を最高クラスのタスクとして位置づけた場合、どのタスクを翌日に持ち越すのか?検討をくり返し、調整します。

 次に休日ですが、自由時間がふんだんにあると思っていると、あっという間にサザエさんが終わってしまいます。ポイントポイントで、「今日はあと何時間ある?」と意識することで、否応なく残り時間の中で「映画を観るのか?」「漫画を読むのか?」「何の遊びを先送りすべきか?」について考えるようになるため、無駄な時間を排除することができます。

 ここで誤解してほしくないのは、「ダラダラするな」と言っているわけではない、ということです。やるなら思いっきり「リラックスしてダラダラ」すればいいのです。何となくネットしながら「アレやんなきゃ……でも何となくダラダラ」が一番最悪なんですよね!

 また、残り時間があと3時間しかない!などと不毛な脅迫観念を抱くのも、全くナンセンスです。残り時間が少なければ少ないなりに、やることを取捨選択し、溢れた分を翌日に回せばよいだけの話なのですから。

話をこれだけで終わらせないために!

 僕がライフハック系の記事を書く際に、一つ気をつけていることがあります。それは「その場限りのテクニック」に終始することなく、その「考え方」に汎用性を持たせることで、「人生の様々なシーンに適用できる」ような記事にすること、です。

 今回のケースで言えば、「一日の終わりを先に決める」が該当します。

これは、

仕事における「帰宅時刻を先に決める」
凡人のあなたが爆速で仕事をこなすための6つのポイント。 - プロジェクトマネジメントの話とか
であったり、

「人生を最期から考える」
人生の終わりから考える。ゼロからやさしく学ぶ7つの習慣【第1・第2の習慣】 - プロジェクトマネジメントの話とか
と全く同じ考え方を適用しています。先に終わりを決めて、逆算するという考え方は、他の様々なシーンにも生かせそうだと思いませんか?

また、最近のライフハック系の記事の例としては、こちらがあります。
仕事が丁寧で遅い人に共通する、たった1つの問題点とその対策。 - プロジェクトマネジメントの話とか

 詳細は記事を参照いただきたいのですが、自分の手作業を「一つの開発プロセス」に見立てているわけです。

 知識・考え方は応用して運用することができます。応用することで、1得た知識が5にも10にも化け得るのです。

 その応用された考え方で今日一日が少しでも良くなれば、もっと楽しく過ごせるかもしれませんね!

 
 時計を見てみましょう。

 今、何時ですか?

 就寝予定時刻まで、残り何時間ありますか?

 今のうち、遊びに仕事に、本気出しておきますか!!

 それじゃーまた!

 

 

人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術

人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術

 
朝型勤務がダメな理由 あなたの睡眠を改善する最新知識

朝型勤務がダメな理由 あなたの睡眠を改善する最新知識

  • 作者: 三島和夫,ナショナルジオグラフィック
  • 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
  • 発売日: 2016/01/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 
驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100

驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100

 

photo by Philip Chapman-Bell

文章、画像等を含む全ての著作物の不正利用・転載を禁止します。
© 2023 プロジェクトマネジメントの話とか, ALL RIGHTS RESERVED.