瞑想は宗教と一切関係ない。瞑想は、宗教が誕生する前から存在していたんだ。
レベルを上げて物理で殴ってくるグーグル先生・インテル社・ゴルードマンサックス・ペンタゴン(国防総省)…etc.世界を代表する名だたる企業の研修プログラムに導入されているこの「瞑想」。故スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、イチローを初めとする多くの成功者たちが瞑想に取り組んでいることは周知の事実だ。
著名な成功者だけでなく、世界の頭脳が集結する「シリコンバレーやウォール街」の多忙なエグゼクティブ達までもが瞑想を実践しているとのこと。世界のTOPエリートの間では瞑想はもはや「常識」になりつつあるのかもしれない。
時間がないはずの彼らが貴重な時間を割いてまで瞑想を実践する理由は、一体何なのだろうか?
今回は下記の入門書『始めよう。瞑想』を用いて瞑想のメカニズムを分析しつつ、実践方法について考えてみよう。
始めよう。瞑想―15分でできるココロとアタマのストレッチ (光文社知恵の森文庫)
- 作者: 宝彩有菜
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 文庫
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※今回の記事は、以下2点の過去記事の解決策うちの一つとなります。
残り一つの方法については、お手数ですが当記事下部の「※1」を参照ください。
自己啓発本・ライフハック記事を読み漁っても、なぜ行動できないのか? - プロジェクトマネジメントの話とか
完璧主義の克服と、ガサツな人の思考回路。 - プロジェクトマネジメントの話とか
宗教?オカルト?スピリチュアル?
瞑想は宗教以前からあるもので、脳に関する科学的なノウハウです。(P.23)
宗教が後から瞑想を取り入れただけの話なんだけど、この胡散臭い「負のイメージ」のおかげで、食わず嫌いのまま終わってしまう人たちが数多く存在するのは本当にもったいないことだと思う。また、「ヨガ」「禅」「呼吸法」「マインドフルネス」というキーワードにアレルギー反応を起こす人もいるかもしれない。
※瞑想が宗教と共に発展してきたのは事実ですが、宗教と切り離して実践することは可能です。
繰り返すよ。瞑想は宗教とは無関係でサイエンスだ。冒頭で述べた企業の研修プログラムでも「宗教色を一切排除」した形で瞑想は展開されているようだ。あくまでも瞑想は睡眠と同等(かそれ以上?)の「脳のメンテナンス作業」であることを初めに理解しておこう。
※瞑想は、安全に誰にでも気軽に始められるけれども、脳に疾患がある方は主治医と相談してから行いましょう。なお私は瞑想の専門家でも上級者でもないので、今回はなるべく主観を排除した記事にしたいと思います。
瞑想すると脳で何が起こるのか?
ざっくり言うと、究極のリラックス状態に入り脳の疲労が解消されると共に、脳内の情報が整理される。脳内クリーニングだ。
クリーニングの話の前に、前回の記事を少しだけ復習。
自己啓発本・ライフハック記事を読み漁っても、なぜ行動できないのか? - プロジェクトマネジメントの話とか
ゴミデータがハードディスク上に大量に存在して容量を圧迫した結果、PCの動きが鈍くなってしまった経験はないだろうか?逆にOSを再インストールしたり 新しいPCを買い換えた直後って凄くスピードが速いだろう?アレは「余分なゴミが一切ない」状態だからPC君も全力で、思う存分フル稼働できるんだ。
人間も同じで、整理されずに余分な情報ばかりが滞留すれば司令塔(脳)は混乱をきたし、君のパフォーマンスは劣化する。
ここで人間の脳の構造がパソコンと酷似している、という話を書いたんだけど、その後、上記『始めよう。瞑想』を瞑想理論の整理のために読んで、凄くびっくりした。全く同じことが書かれてあったから。例えまでソックリだった。(どーせパクったんだと思われるんだろうな…まーいいや。)
「現代人の脳は情報過多で強いストレスにさらされカオスな状態にあるため、定期的にクリーニングする必要がある。その解決策の一つに“瞑想”がありますよ」ということだ。
ぜひ知っておきたい「自分の思考」と「自動思考」の関係
瞑想する上で理解しておきたいのは、人間の思考はざっくり言うと2パターンあり、自分で明確な意思をもって判断する「自分の思考」と、放っておいて勝手に思い浮かぶ「自動思考(=潜在意識)」(という言葉で定義します)に大別される、というところだ。
例えば、同僚とのディスカッションの最中に失礼な発言「お前の母ちゃんデーベーソ!」と罵倒され、ついカッとなって「このヤロッ!…でもコイツ、なんで母ちゃんが出ベソであることを知ってるんだろう?ひょっとして……」などとアナタは考えたとする。
この場合、アナタは明確な意思をもって、自分で「このヤロッ!…(略)」と考えたわけではなく、反射的に「この…」と「思ってしまった」わけだ。簡単に言うとこれが自動思考。
瞑想を始めるとわかるが、様々な雑念や言葉(=自動思考とします)が次々と沸いてくる。人間の思考のほとんどはこのような「自動思考」に支配されていると思っていいんだ。この「自動思考」が曲者で、「自分の思考」だと思い込んでいたものが、実は知らぬ間に「自動思考」の影響を大きく受けていた、ということがザラにあるから厄介だ。
瞑想のトレーニングを積むと、この自動思考をある程度コントロールできるようになる。『始めよう。瞑想』では、下記のように説明されている。
瞑想が上達すれば、自分の頭を勝手に気ままにやりたい放題にはさせないことができるようになります。頭という強い牛の手綱を掴んだことになるのです。さらに、瞑想が上達すると、頭が勝手に考えている様子を常時、観察(観照)することができる自分(=本当の自分)が存在することの実感を得ることができます(P.89~90)
ここで述べられている「頭」とは、僕が言う「自動思考」のことを指しています。瞑想が上達すれば、ロデオの暴れ馬のような自動思考に気づけるようになり、自由気ままにさせないようにできる、ということだ。また、瞑想が上達することで自分の思考を客観視する能力(=メタ認知)も向上するという論文も存在し。下記記事の「第3領域→第2領域」のコントロールも、容易に可能となる可能性が高まるわけだ。
完璧主義の克服と、ガサツな人の思考回路。 - プロジェクトマネジメントの話とか
脳内がクリーニングされると、他にはどんな良いことがあるのか?
瞑想すれば熟睡できます。また、瞑想を15分すれば睡眠時間が約2時間節約できます(P.139)
少しオーバーに書かれている感がなくもないが、睡眠による疲労解消や脳内物質の分泌に似た現象が、脳内で起こっていることは事実だと思われる。瞑想の効果に「イライラせず穏やかになった」という話がよく挙げられるが、昼寝後、スッキリした後には、精神が穏やかな状態を保てることを考えると、合点がいく。ドーパミンだかセロトニンだかが沢山出ているのかもね。(ここらへんは専門じゃないのでよくわかりません。)
他にも多くのメリットが挙げられていますが、抜粋すると
- 理解力がUPする
- 集中力がUPする
- 記憶力がUPする
- 判断力がUPする
- 発想力がUPする
- ストレスに強くなる
- やさしくなる
- 健康になる
- 熟睡できる
…等々。
脳の機能が改善されることにより、人間の活動全般のクオリティが向上するわけだ。
いざ、瞑想(Meditation・メディテーション)。人生をひっくり返せ!
いよいよ実践編。用意するものは何もありません。詳細については本を参照いただきたいが、ざっくり要約すると…
- 座る(あぐらでもOK。寝転がると寝てしまうので座るのが吉。)
- 目を閉じて
- 腹式呼吸で深呼吸
- マントラと呼ばれる意味のない言葉を唱える
- 今回は宗教と無関係な「吸う(オーン・ナーム)→吐く(スバーハー)」を使用。(呼吸とマントラは、ずれたり逆になっても可。)
- 無意味で単調なため雑念が沸く→棚上げ→唱える→雑念…の繰り返し
- 意識をマントラだけ(+呼吸)に集中しようとする
- あー、雑念が沸いているなぁ、というのを一歩引たところから感じる(観照)
- 上達すると、やがて雑念が消えるので言葉も要らない
注意点は、
- 雑念が沸くことを否定しないこと。「考えてはいけない」と考えると雑念につかまってしまうので、ああ来たな、今は棚上げしよう、程度でOK
- 雑念が浮かんできても、その自分を客観的に観る(観照)
- 瞑想ができなくても焦らない。ゆっくり気長に習得すればいい
- 集中力が続かないので、一回あたり15分以内で
等々。
瞑想でも片付けづらい問題がある?
何でもかんでも瞑想で片付けられるかというと、さすがにそうではありません。『始めよう。瞑想』では「手ごわい思考」として表現されている、瞑想では解決し辛い諸問題があるんだけど、そのような問題を解決するために、瞑想と並行して是非行いたいのが「思考を紙に書き出す」という作業。これについては後日記事に起こしたいと思います。(※1)
「脳の構造」と「プロジェクトの構造」は同じ
「自分の思考と自動思考」の関係は、「プロジェクトマネージャー(PM)とメンバー」の関係と同じだ。
「自分の思考」がロデオの暴れ馬のような「自動思考」を「瞑想」によってコントロールする
↓
「プロマネ」が「自分の責任さえ果たせば他は知らん!というメンバー」を「朝会・コミュニケーション」でサポートする
※下記記事をご参考に。
プロジェクトマネジメントで大切なたった3つのこと。 - プロジェクトマネジメントの話とか
みんなが嫌う「朝会」がプロジェクトマネジメントで大切な理由。 - プロジェクトマネジメントの話とか
自分の仕事にだけ専念していると、干されてしまう3つの理由。 - プロジェクトマネジメントの話とか
そう。「瞑想」はプロジェクトマネジメントにおける「朝会」に相当するんだ!朝会での情報共有は、プロジェクトチーム内(=脳内)の情報を整理・クリーンアップして、ストレスを回避する作業であり、これはチーム(=脳)が最大限に機能を発揮するために必要不可欠な作業なんだ。
ああ。わかってる。最近プロマネの話を全くしてなかったら、チョットだけ、こじつけてみたかったんだ。
さいごに
ここで一つ予想しておきます。近い将来、大手企業を中心に日本でも瞑想ブームが巻き起こり、多くの人々が瞑想に取り組むようになるということを。
皆が当たり前のように取り組むレベルまで浸透するには、もう少し時間がかかるかもしれません。それでも、いつしか皆が己の能力を余すところなく存分に引き出し、国力が向上した結果、混沌としたこの日本が明るく元気になっていくことを願って止みません。
さあ、今日から暴れ馬をコントロールし、人生の手綱を握れ!
瞑想関連の記事
【瞑想】一流企業が続々導入!脳の究極メンテナンス術を分析・実践しよう。 - プロジェクトマネジメントの話とか
(※1)思考の書き出し(ゼロ秒思考)による解決方法を公開しました。
モヤモヤをスッキリさせたい方は、瞑想と一緒にどうぞ!
『ゼロ秒思考』メモ書きでモヤモヤを吐き出し、スッキリ爆速。 - プロジェクトマネジメントの話とか
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